香川県綾川町立の綾川町国民健康保険陶(すえ)病院は25日、今年3月8日までの約8年間にわたり、BCGワクチンを通常の1.5倍の濃度で町内外の1歳未満の赤ちゃんに接種していたと発表した。これまでに副反応が起きた事例は報告されていないという。
大原昌樹院長らが記者会見して明らかにし、謝罪した。約8年間に接種を受けた赤ちゃんは712人。このうち半数から7割ほどの赤ちゃんに濃い濃度のワクチンを接種したという。712人のうち630人が接種当時に町民で、82人が丸亀市や高松市、県外などの住民だった。
BCGワクチンを接種すると、通常でもリンパ節の腫れやミミズ腫れなどの副反応がまれに起きるが、1・5倍の濃度で接種したため、副作用の頻度や程度が増した恐れがあるという。
看護師がワクチン接種を準備する際、乾燥ワクチンを0・15ミリリットルの生理食塩水に溶かすべきところ、0・1ミリリットルに溶かしていた。8年間に担当した看護師は4人いたが、このうち3人が前任や同僚の看護師から誤った方法を説明され、実行していた。残りの1人はワクチンの添付資料を読み、正しい方法で準備していたという。
病院は、副反応が疑われる人に、院内の相談窓口に連絡するよう呼びかけている。(増田洋一)