歌人の登竜門として知られる第68回現代歌人協会賞(現代歌人協会主催)の授賞式が27日、東京都内で開かれた。第1歌集「Dance with the invisibles」(角川書店)で受賞した歌人でAIエンジニアとして働く睦月都(むつきみやこ)さん(33)は、「人間であることの証明」が求められる時代に「真実を求めて歌を詠み続けられたら」と抱負を語った。
前年度に刊行された新人の歌集が対象。選考委員長の歌人・吉川宏志さんは、受賞作から〈人らみな羊歯の葉ならばをみなともをのこともなくただ憂ふのみ〉〈けはひなく降る春の雨 寂しみて神は地球に鯨を飼へり〉の2首を紹介し、「性別に束縛される社会を抜け出し、女性同士の連帯を志向しようとする。文語旧かなを用いた柔軟な韻律が快く、二首目のようなスケールの大きな発想も見られる」と評した。
選考委員を務めた歌人の駒田…