未来学者のエイミー・ウェブさん=オースティン、奈良部健撮影

 人間の指示なしに、生成AI(人工知能)どうしが連係して意思決定をし、「生きた知能(Living Intelligence)」として支配者になる時代に突入している――。そう警告する未来学者のエイミー・ウェブさん(ニューヨーク大兼任教授)に話を聞いた。

 ――AIが生きた知能になるとは?

 「人間に代わって様々な作業をこなすAIエージェントは、人間の指示なしに協力し、仕事を割り当て、意思決定を行う能力を急速に発展させている。最近の実験では、エージェントどうしが自発的に組織化し、同盟を結び、法をつくり、独自のコミュニケーション手段を開発したことが示された」

 「AIどうしが『非人間的言語』を生み出し始めている。『大きいアリ』と『大きいゾウ』とで、『大きい』が意味するサイズはまったく異なるように、人間の言語は不器用で、不正確で、時には誤解を招く。だから、人間には理解できない数式のような言語を生み出し、人間の言語を使う場合より100倍速く仕事ができるようになった」

 ――AIたちが人間を欺くこともあると。

 「今でも人間を欺いている…

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