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テレビ朝日制作の配信番組「ABEMA Prime」は25日夜の放送で、1月20日放送回で紹介した「AEDで助けた女性から強制わいせつの疑いで被害届が出された」とするSNS投稿について、再取材の結果、「完全な裏付けを取るのは困難という結論に至った」として、謝罪した。番組のアーカイブ配信も取り下げた。この番組を巡っては、雑誌系のウェブメディアが投稿の信憑性(しんぴょうせい)に疑問を呈する記事を配信していた。
投稿について番組は「10年ほど前の出来事だということで、事実関係の確認には限界がある」と説明。証言は投稿した男性への取材をもとに紹介したものの、「取材が不十分だった」とした。AEDの適切な使い方や心構えを、近日中に改めて取りあげる予定だという。
この番組は、配信プラットフォーム「ABEMA」などで放送。ABEMAでは「『女性にAEDを使わないで』男性が恐れる“社会的制裁”とは?分断の向かう先は?」とのタイトルだった。男性の投稿と共に「刑事事件になる可能性は極めて低い」という弁護士の見解などを取りあげ、スタジオで出演者が議論した。
番組が謝罪したこの日の昼には、テレビ朝日の篠塚浩社長が定例会見で、「『AEDの使用を躊躇(ちゅうちょ)しないでほしい』という趣旨で制作している」と釈明。事実関係を再取材していると明らかにしていた。