写真・図版
民間のサルベージ船(奥)に引航されるさんわ丸=2025年1月12日、北海道函館市恵山町、野田一郎撮影
  • 写真・図版

 北海道函館市の津軽海峡・恵山岬沿岸でタンカーさんわ丸(3919トン)が座礁し、燃料の重油の一部が流出した事故から7日目となる12日、3度目の引航作業が行われ、同船はようやく離礁した。新たな油の流出や船内への浸水は確認されず、13日に函館港へ引航される。

 過去2回の引航作業では浮力不足で離礁できなかったため、全ての重油計約200キロリットルと積み荷のうち軽油の一部の約300キロリットル、生活水を抜き取り、軽量化した。午前11時23分頃、サルベージ船にロープで引っ張られたさんわ丸は静かに離礁し、沖へと引航された。

 周辺海域はウニや海藻類などの好漁場だが、事故の影響で今年は初漁ができていない。陸から見守った「えさん漁協」の上見孝男組合長(76)は「(引航されて)肩の荷が少し下りたが、重油流出の影響が心配。しっかり調査して海産物の安全安心が確かめられたら一日も早く出荷したい」と話した。

共有