中谷元防衛相は12日、陸上自衛隊習志野演習場(千葉県)で、パラシュート部隊による毎年恒例の「降下訓練始め」を視察した。昨年も参加した米、英、仏、独、インドネシアなど7カ国に、イタリアやフィリピンなど4カ国を加えた過去最多11カ国の部隊が参加した。
訓練は他国の侵攻を受けた離島を奪還するという想定で、自衛隊約2千人と11カ国から200人が参加。陸自第1空挺(くうてい)団150人と11カ国の空挺部隊などが高さ340メートルの輸送機から、落下傘で降下し、ヘリコプターや偵察用の無人機(ドローン)と連携しながら共同で奪還作戦にあたる手順を確認した。
中谷氏は視察後、記者団に「陸上部隊は我が国の防衛の最後のとりで。その中でも、落下傘降下によって機動展開する第1空挺団の役割は極めて重要だ」と述べた。1月下旬にも沖縄県の先島諸島を訪問する方向で調整を進めている。
自衛官出身でレンジャー隊員の資格を持つ中谷氏は視察に先立ち、パラシュート降下を想定した「飛び出し訓練」を体験。安全確保のための専用ロープを装着した中谷氏は「2025年、自衛隊頑張ろう。レンジャー!」とかけ声を上げ、高さ11メートルの棟から飛び降りた。