ロシアのタンカーが座礁して黒海に重油が流出した事故に関連し、絶滅危惧種のイルカ58頭の死体が見つかったと、ロシアの保護団体が11日、発表した。事故の影響が濃厚で、5日時点の32頭から2倍近くに増えた。ロシアの専門家は「影響は数十年残る可能性がある」と警告している。
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イルカの保護センター「デリファ」の発表によると、58頭の死体は昨年12月15日の事故後に見つかり、死後3週間以内とみられる。事故以前に死亡したとみられるイルカも58頭見つかった。
センターは「この時期にしては死体数が異常に多い。重油に関係している可能性が高い」とみている。また、泳いでいたイルカの1頭は、背びれや胸びれ、頭部の一部が重油で黒くなっていた。
黒海には、ロシアなどが絶滅危惧種に指定するネズミイルカやバンドウイルカなどが生息。特に小型のネズミイルカの被害が目立つという。
ロシアは国家レベルの緊急事態を宣言。ボランティアも動員して汚染の除去にあたっているが、ロシアの専門家は地元メディアに「長期的な影響は数十年になる可能性がある」と話した。
■新たな流出も確認…