AP通信などは、2月に北極圏の刑務所で収監中に亡くなったロシアの反政権派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の団体が運営していたユーチューブチャンネル向けにビデオ素材などを準備したとして、ロシア人ジャーナリストら2人が27日までにロシア当局によって拘束された、と伝えた。
ナワリヌイ氏の団体はロシアで「過激派組織」とされており、2人には組織への参加の疑いがかけられているという。
AP通信によると、拘束されたのは、コンスタンチン・ガボフ氏と、セルゲイ・カレリン氏。ガボフ氏はロシアのテレビ局のほか、ロイター通信などで勤務した経験があるという。カレリン氏はAP通信などで勤務した経験があり、2022年2月まではドイツの国際公共放送ドイチェ・ウェレでカメラマンとして働いていたという。AP通信によると、2人は容疑を否定している。同通信はカレリン氏の拘束について「非常に憂慮している」との声明を出した。
ロシアではウクライナへの全面侵攻をめぐって反政権派の声を抑えこむため、ここ数カ月、独立系メディアなどへの圧力が強まっているとされる。
外国人ジャーナリストへの監視も厳しくなり、23年3月には、米紙ウォールストリート・ジャーナルの記者もスパイ容疑で拘束されている。(ベルリン=寺西和男)