妊娠23週で生まれたわが子は、445グラムしかなかった。肌着を買い求めに行っても体に合うサイズが見つからない。そのときの「社会からの疎外感」が、いまも原動力になっている。
オンラインストア「Baby Storia(ベビーストリア)」は低出生体重児向けの肌着を開発、販売している。運営会社代表の大柿綾子さん(42)が次男の瑞樹さんを産んだのは、29歳のとき。妊娠初期から熱が続いた影響もあり、23週で切迫早産となった。
2500グラム未満で生まれた赤ちゃんは「低出生体重児」と呼ばれるが、445グラムの瑞樹さんのように1千グラム未満の赤ちゃんはそこに「超」がつく「超低出生体重児」だ。
瑞樹さんの体は手のひらに乗るほどで、足は大柿さんの小指ほどの太さしかなかった。新生児集中治療室(NICU)に入ったわが子に会いに行く度に、「なんてことをしてしまったんだ」と自分を責めた。
生後2カ月が経ち、保育器を出た瑞樹さんの肌着を探し回ったが、サイズが合うものに出会えなかった。
市販の肌着は肩が丸見えになるほどブカブカ。余った生地に点滴のチューブが絡まって抱っこもしづらかった。
商品化のきっかけはママ友の言葉
裁縫は決して得意な方ではな…