中国の江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人学校の送迎バスが刃物を持った男に襲われ、3人が死傷した事件で、男の初公判が9日、蘇州市の裁判所で開かれ、即日結審した。在上海日本総領事館の岡田勝総領事らが傍聴。次回の公判で判決が言い渡されるとみられる。

  • 日本人母子守って「模範」胡友平さんの人生は

 総領事館によると、初公判では検察、被告の間で「一定のやり取り」があり、被害者の家族に説明をしたという。総領事館は詳しい内容については現段階では公開せず、最終的な事実認定が行われる判決後に「日本政府としてしかるべく説明していく」としている。

 事件は6月24日の下校時、送迎バスがバス停に着いた際に起きた。迎えに来ていた日本人の母子が男に切りつけられて負傷し、2人をかばおうとしたとみられるバスの案内係の胡友平さん(当時54)が死亡した。男は現場で拘束。事件の直近に蘇州に来た当時52歳の無職の人物で、昨年11月に起訴されていた。

 中国の日本人学校をめぐっては、昨年9月にも広東省深圳市で登校中の男児(当時10)が刺殺される事件があり、故意に学校関係者や生徒を狙ったものかが焦点になっていた。中国側はこれまで「司法手続きの中で説明する」として、いずれの事件でも動機を明らかにしていなかった。

共有