三重県立水産高校(志摩市)の生徒たちが、漁獲量が近年激減しているナマコの増殖に取り組んでいる。生まれて間もない幼生が付着する海藻が減ったことが要因の一つとみて、付着しやすいカキ殻を使った「幼生採集コレクター」を海中に設置。ノウハウを確立し、地域貢献につなげたいとしている。
水産資源科アクアデザインコースの生徒が三重大大学院生物資源学研究科の松田浩一教授の指導を受け、2022年度から取り組んでいる。3年目の今年度は3年生14人が19日、松田教授の講義を受け、幼生採集コレクターを設置した。
松田教授は講義で、ナマコの生態や漁獲量の推移などを解説した。増殖を目指すのはマナマコと呼ばれる種で、4月ごろ産卵する。孵化(ふか)した幼生は海中を浮遊した後、海藻などに付着し、稚ナマコになる。温かい海水が苦手で夏~秋はエサを食べない「夏眠」状態になる。冬~春に活発に活動し、体も大きくなる。
しかし近年は「黒潮大蛇行」…