いま、全国のユーチューバーも注目する兵庫県尼崎市の深夜のソウルフードがある。懐かしいチャルメラの音に誘われて、ときどき食べたくなるあの一杯――。
午後7時ごろ。ラーメン屋台「阪神軒」の大将、林次郎さん(73)は、軽トラックに赤いのれんを取り付けて出発する。「よう忘れもんするんやけどね。ネギとか、もやしとか。包丁忘れたこともあんねん。チャーシュー切られへん」
いつもは約50平方キロメートルの尼崎市内をどこでも走る。常連からの電話があれば近隣市の伊丹や西宮、宝塚などへも出向く。
メニューは1杯600円の中華そばのみだ。
豚骨と鶏ガラでとったしょう…