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劇的な勝利で準決勝進出を果たし、雄叫びを上げる東山の瀬川琉久(中央手前)と佐藤凪=東京体育館

 (27日、全国高校バスケットボール選手権 ウインターカップ男子準々決勝 京都・東山83―82静岡・藤枝明誠)

 残り3秒9、フリースローをもらった東山の小野寺星夢が1本目を決めた。同点。2本目も沈めて勝ち越すと会場は割れんばかりの歓声に包まれた。

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 第4クオーター、13点を追う残り6分からの逆転劇だった。瀬川が2連続の3点シュートで流れを引き寄せ、小野寺と佐藤凪(なぎ)もジャンプシュートを沈めた。猛攻に押された相手はリングに嫌われ、残り5分半から5分間は無得点。まさに「攻撃は最大の防御」と言えた。

 試合全体で言えば、焦りの色が強かったのは今夏の全国高校総体王者・東山の方だ。2点シュートの確率は3点シュートの29・3%とほぼ同じ29・8%。リードを許す展開の中、無理な姿勢からのシュートが目立った。その傾向はエースの瀬川も同じ。それでも、「絶対(シュートが)入ると、みんながパスしてくれた」。両チーム最多の40得点で勝利に貢献した。

 前回は準々決勝敗退。福岡第一に後半追い上げられ、3点差で敗れた。当時とは対照的な内容で4年ぶりの4強入り。瀬川は安堵(あんど)の表情で言った。「(同じ舞台に)戻ってきたぞとみんなで言っていた。勝ち切れてよかった」

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