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技術委の終了後に取材を受ける小原徹座長=2024年12月26日、新潟市中央区、井上充昌撮影
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 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、同原発の安全対策を議論してきた県の有識者会議「技術委員会」が26日、約11年にわたる議論を終え、報告書をとりまとめた。細かな表現の修正などを経て、近く花角英世知事に提出される。再稼働の是非を県民が考えるうえで、役立つものになったのか。

 報告書は22の論点について、委員側の問題提起や質問と、それに対する原子力規制庁(原子力規制委員会の事務局)、東電の説明の内容を列記。そのうえで、委員会としての評価を記した。

 「施設の液状化対策」「水素爆発対策」など18項目については、「現時点において安全性について特に問題となる点はないと考える」と評価した。

 一方、柏崎刈羽原発を再稼働することについての「東京電力の適格性」など4項目については、「原子力規制委員会の判断を否定するものではない」と追認する表現にとどめた。11月の前回会合で、適格性などを認める記述を含んだ報告書案について、委員から「そう言い切れるか」などの異論が出ていた。規制委が昨年12月に適格性を認める判断を示したことを踏まえるとともに、今後も継続して安全性を確認し続けることが必要な項目だとの判断などから、それ以上は踏み込まなかった。

 そのため4項目については、それぞれ注文などを付けた。

 適格性に関しては「問題がな…

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