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参院予算委で自民党の滝沢求氏の質問を聞く石破茂首相=2024年12月6日午後1時41分、岩下毅撮影

 政府にとって臨時国会の最重要議案だった今年度補正予算は、少数与党が野党側の要求に応じ、28年ぶりの修正可決を経て成立した。ただ、そこには「政策実現」を図る野党側との取引があり、予算そのものの「熟議」にはほど遠いものだった。

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 立憲など野党側は能登半島の復旧・復興予算の増額を要求し、政府・与党は予備費から1千億円を充てる修正に応じた。石破茂首相は24日の記者会見で「言いっ放し、聞きっぱなしではない熟議になった」と今国会を振り返り、立憲民主党の野田佳彦代表も「補正予算の修正を勝ち取ることができた」と胸を張った。

 審議入り前は「消化試合」の国会審議が懸念されていた。国民民主は10月の衆院選後、自民、公明両党との政策協議を進め、避難所に指定された体育館へのエアコン設置などの施策をのませた。3党は11月に「補正予算の年内の早期成立を期する」ことで合意。与党と政府が国会審議前に予算や法律を調整する「事前審査」に野党第3党が加わる構図が生じ、国会召集前に衆院の過半数を固めたかに見えた。

 だが、年収の課税最低ライン…

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