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鐘を見つめる専念寺の住職、畠山義邦さん。元日の地震で本堂が倒壊して下敷きになり、近所の人たちに救助された。本堂は解体し、再建のめどは立たない。「せめて鐘くらい残さんと。これから珠洲はどうなるのか」=2024年12月18日、石川県珠洲市、小宮健撮影

 石川県能登地方を襲った最大震度7の揺れは、元日の意味を変えた。

 被災地では年末年始の恒例行事が難しくなり、新年を祝うことにためらいの声もある。

 475人の命を奪った能登半島地震から、まもなく1年。

 輪島市役所から1キロほどの真宗大谷派・浄明寺(輪島市輪島崎町)。例年は大みそかに門徒や近所の住民ら30~40人で除夜の鐘を108回ついてきたが、今年は中止し、元日朝の法要のみを行う。

 鐘をつり下げていた鐘楼堂は、元日の地震で大きく傾き、鐘は地面に下ろされた。建物はそれ以上崩れないように、木材で支えられている。

 崖(きし)啓互住職(75)は「残念だが、危険なのでやむを得ない。法要は1年の無事を願い、お勤めしたい」と話す。

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元日の地震で鐘楼堂が傾き、釣り鐘が地面に下ろされた浄明寺=2024年12月11日、石川県輪島市輪島崎町、久保智祥撮影

 能登で最も寺院数の多い真宗大谷派によると、能登教区の353寺のうち、本堂や庫裏なども含め何らかの被害が確認されたのは331寺にのぼる。能登地方で除夜の鐘をつける寺は、ごく一部にとどまる見通しだ。

 珠洲市三崎町にある真宗大谷派の専念寺。21代目の畠山義邦住職(75)は元日の地震で本堂の下敷きになり、体の一部が津波につかる中、住民らに救助された。年の瀬になって本堂は解体が進み、ほぼ更地になっている。

 一方で、鐘楼堂は、ずれた柱…

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