日本時間の13日朝、北欧から羽田空港に到着したスカンジナビア航空(SAS)の機内に日本語のアナウンスが響いた。
「これまで生涯をかけて行ってきた、そして、これからも続けていくであろう貴重な活動に対し、深く感謝すると同時に、核兵器も戦争もない平和な世界が1日も早く訪れますよう、心よりお祈り申し上げます」
ノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞の授賞式に出席した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表団が、帰国のために搭乗していた便だ。
客室乗務員を長年務める渡辺慶子さんは、ノーベル平和賞のニュースをチェックしていた。数日前に帰国便の担当になり、被団協の80~90代の代表委員3人が行きの便でエコノミークラスだったと知った。3人は授賞式に登壇したほか、要人との面会や国内外の記者会見、交流イベントなど過密な日程をこなしていた。
「ハードなスケジュールのなか、分刻みで動いてきた高齢の方々にとって、10時間以上のフライトは大変だ」
帰国便でも、3人はエコノミ…