悪質なホストクラブが社会問題化する中、警察庁が風俗営業法の改正に乗り出す。10代後半から20代前半の女性客に多額の借金を背負わせ、売春に追い込む構造にメスを入れられるのか。
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警察への相談、2023年に急増
悪質なホストクラブをめぐっては、女性客が高額な売掛金を背負わされ、その返済のために国内外で売春や性風俗店での労働をさせられている状況が社会問題となっていた。警察が、こうした店舗からSNSで緩くつながる「匿名・流動型犯罪グループ」に資金が流れている可能性も視野に、実態解明を進めてきた。
警察庁によると、ホストクラブは2024年4月時点で、都市部を中心に全国に約1千店ある。そのうち東京に30%あり、大阪20%、愛知11%、北海道7%と続く。
ホストクラブに関する警察への相談は23年に2675件あった。21年は2044件、22年は2089件で、23年に急増し、今年も10月末で2362件にのぼる。知らない間にシャンパンを注文されて高額な請求をされた▽ホストから売春で稼ぐよう迫られた、などの相談内容があった。
こうした実態を受け、警察庁は23年11月に全国の警察へ店舗の立ち入りや取り締まり強化を指示。警察庁長官や国家公安委員長による東京・歌舞伎町のホストクラブ街への異例の視察を実施するなど、本格的な対策に乗り出した。
■1年半で203人摘発も、仕…