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楽天に入団するドラフト3位の中込陽翔投手(左)と同1位の宗山塁選手
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 野球の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」が設立されて2024年で20年。社会人野球の企業チームが不況などの影響で休部や撤退をする中、独立リーグは選手の受け皿となり、日本野球機構(NPB)の球団に多くの選手を送り出してきた。

 独立リーグのメリットは最短1年でプロ入りの夢をかなえられることにある。徳島インディゴソックスから東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト3位で指名された中込陽翔(はると)投手も、その1人。徳島は12年連続でドラフト指名選手を輩出したことになる。

 中込投手は山梨学院大の4年生のとき、くすぶるものを胸に抱えていた。野球は大学でやめて、一時はもう一つの夢だった消防士の採用試験を受けるつもりだった。

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 ただ、大学最後の大会となった関東地区選手権で好投して心が揺れた。中学時代に所属した「北杜ボーイズ」(山梨県北杜市)の中島日出夫監督は、進路を相談にきた教え子の不安そうな表情を覚えている。

 「野球に自信を持っていたが、プロの世界に踏み込むまでは至らないと判断して悩んでいた」

 中島監督らの前で10球全力…

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