子どもの権利保障をうたう「子どもの権利条例」について、和歌山県で制定を求める会「こどものけんり・わかやま」が15日、和歌山市で結成集会を開き、約120人が集まった。川崎市で国内初の条例策定に関わった認定NPO法人「フリースペースたまりば」の西野博之さんが記念講演した。
会長に就いた元県立高校長の坂下義民さんは、1989年採択の国連の子どもの権利条約について「子どもが大人と同じような口を利いてはいけないと言われていた中、『自由に意見を表明する権利がある』という条文は衝撃だった」と語り、「条例を制定し、子どもたちの明るい未来を実現するスタートにしたい」と決意を述べた。
講演では西野さんが、川崎市の条例作りの過程で「子どもに権利を与えるとわがままになる。権利より義務を教えるべきだ」という反対があったと話した。しかし、子どもも一緒に議論を重ね、義務を強調しなくとも子どもの権利をしっかり教え、同時に他人が持つ権利を守らねばならない「権利の相互尊重」の社会をめざすという結論に達したとき、市議会全会一致で条例案が可決されたという。「子どもの幸せをど真ん中に置き、和歌山の取り組みが始まることを願う」と締めくくった。