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西村真二さん
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受験する君へ お笑いコンビ・コットン 西村真二さん

連載「受験する君へ」

本格的な受験シーズンを迎えました。各界で活躍する方々に、自身の体験談や受験生へのメッセージを聞きました。

 1年間の浪人時代に必死で勉強し、慶応義塾大学に合格しました。あの時にやり遂げられたという成功体験が、今も生きていると思います。

 公立中から、地元の私立進学高に進学しました。この時も勉強しましたが、塾の授業を集中して聞くぐらいで、自宅では全くやりませんでした。

 高校では友達と夜遅くまで出歩いたり、外泊したり、遊んでばかりいました。勉強が嫌いというわけではないのですが、とにかく楽しくて……。成績は学年で下から10番ぐらいでした。

対策なしで受験、落ちて浪人へ

 まったく対策しないまま、高3の受験本番を迎えました。過去問も解かずに早稲田大を受験したんですが、1問目からまったくわからない。当然落ちました。

 ただ一方で、目標に対する距離感がつかめたような気がして、「必死にやればいけるかもしれない」と思いました。一人で育ててくれた母は「勉強しろ」とは一度も言いませんでしたが、「勉強しておけば将来の選択肢が広がる」と言いました。それが心にひっかかっていて、本気でやってみようと思いました。

 予備校の授業では前の方の席に座り、同じく前に座ったやる気のある生徒と仲良くなりました。高校の頃は午前3時に寝るなど夜型だったのですが、受験は午前中にあるので朝型にしようと、午前6時ぐらいには起きることにしました。仲良くなった生徒と連絡網をつくり、起こし合いました。

決まった手順を反復 「性に合っていた」

 毎日、決まった手順を反復しました。朝から予備校の自習室へ。集中を乱されないよう、何も視界に入らない一番前の端の席にいつも陣取ります。授業の合間に英語と国語と日本史を2時間ぐらいずつやって、自宅では英文を、声帯がちぎれるほど何度も音読しました。単語や熟語、言い回しが全て頭に入り、とても効果的でした。

 僕にとっては、日ごとに内容を変えるよりも、パターンがある方がやらざるを得なくなるので性に合っていました。これにより、たるむことなく継続できたと思います。

 当然、集中には限界があり、途切れることもあります。この時間までやったら15分休憩などと決めて、コンビニに行って気分転換しました。どうしてもやる気が出ないときは、頑張れば憧れだった東京の街に住めると思い、自分を奮い立たせました。

 中学や高校の頃から漠然と、お笑いタレントになりたいという思いがありました。学歴が必要な職業ではありませんが、そのことと受験へのモチベーションはあまり関係なかったですね。

お笑いの仕事に生きたことは

 がむしゃらに頑張り、やり遂…

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