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缶詰のオブジェを手にする、黒潮町缶詰製作所の友永公生さん(左)とフタガミの矢野剛志さん=2024年12月2日午前10時41分、高知市丸ノ内1丁目、原篤司撮影
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 大地震が起きたら、津波が来る前にまず逃げる――。南海トラフ巨大地震で最大34メートルの津波が想定されている高知県黒潮町で、「命を守る行動」を胸に刻んでもらう仕掛けとして缶詰の開発が進んでいる。世界への輸出も視野に入れる。

 太平洋を思わせるブルー。そこに描かれているのは、「非常口マーク」でおなじみの走る人形(ひとがた)のピクトグラムと「にげる」の大きな文字。

 12月2日、黒潮町の第三セクター「黒潮町缶詰製作所」と、ホームセンターを展開する「フタガミ」(同県南国市)が記者会見を開き、実物の何倍もある巨大な缶詰のオブジェを披露した。

 缶詰製作所の友永公生さん(53)は、中身は地元で水揚げされたカツオと県産のコメ、ショウガを炊き合わせた「カツオめし」を予定していると説明。

 「しっかり逃げ切った後、おいしくて満足感のあるものを食べてもらおうと、試行錯誤を続けている」と話した。

「日本一の津波高」を逆手に

 会見は両社が進める「防災缶…

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