「もう限界です」
全国85の国立大でつくる一般社団法人「国立大学協会」は6月、悪化する大学の財務状況に関して悲痛なほどの声明を出し、話題となった。
急速に進む過疎化や南海トラフ巨大地震への備えなど、さまざまな課題に向き合っている四国の国立大も例外ではない。生き残りに向けた取り組みを学長に聞いた。
古びた洗濯機のような白い機械が「ウィーン」と音を立てる。
高知市の高知大理工学部の一室に置かれた遠心分離機だ。フタを開けて中に溶液をセットし、高速回転させることで、たんぱく質やDNAなどを取り出す。
機械の前面にテープで貼り付けられたメモには「遠心中にモニターとロックが死んで開かなくなりました」と書いてあった。
砂長毅准教授(分子発生生物学)によると、昭和期に導入されたもので、老朽化が進んでいる。遠心中にフタが勝手に開いたり、逆に開かなくなったり、モニター表示が消えたり。
利用する学生と教員は計50人ほど。新調すると約400万円かかるが、予算がなく使い続けている。
もう1台ある一回り小さい遠心分離機は、医学部から借りたもの。こちらも導入から約20年が経ち、動かすとブーンと異音がする。
砂長准教授は「ぜいたく品で…