「もう限界です」

 全国85の国立大でつくる一般社団法人「国立大学協会」は6月、悪化する大学の財務状況に関して悲痛なほどの声明を出し、話題となった。

 急速に進む過疎化や南海トラフ巨大地震への備えなど、さまざまな課題に向き合っている四国の国立大も例外ではない。生き残りに向けた取り組みを学長に聞いた。

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昭和期に高知大学に導入され、老朽化が進んだ遠心分離機について説明する理工学部の砂長毅准教授=2024年11月25日午後4時14分、高知市曙町2丁目、川村貴大撮影

 古びた洗濯機のような白い機械が「ウィーン」と音を立てる。

 高知市の高知大理工学部の一室に置かれた遠心分離機だ。フタを開けて中に溶液をセットし、高速回転させることで、たんぱく質やDNAなどを取り出す。

 機械の前面にテープで貼り付けられたメモには「遠心中にモニターとロックが死んで開かなくなりました」と書いてあった。

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高知大学に昭和期に導入され老朽化が進んだ遠心分離機に貼り付けられたメモ。「遠心中にモニターとロックが死んで開かなくなりました」と書かれている=2024年11月25日午後4時21分、高知市曙町2丁目、川村貴大撮影

 砂長毅准教授(分子発生生物学)によると、昭和期に導入されたもので、老朽化が進んでいる。遠心中にフタが勝手に開いたり、逆に開かなくなったり、モニター表示が消えたり。

 利用する学生と教員は計50人ほど。新調すると約400万円かかるが、予算がなく使い続けている。

 もう1台ある一回り小さい遠心分離機は、医学部から借りたもの。こちらも導入から約20年が経ち、動かすとブーンと異音がする。

 砂長准教授は「ぜいたく品で…

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