【動画】大分市と大分空港を結ぶホーバークラフト、報道陣などを乗せたモニターツアーを実施=高嶋健、徳山徹撮影

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モニターツアーを終えて港に戻るホーバークラフト「Tanso」=2024年11月27日、大分市駄原、高嶋健撮影
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 国内で唯一となるホーバークラフトの旅客航路が、年内にも復活する。別府湾を通り大分空港(大分県国東市)と大分市を約30分で結ぶもので、15年前に運航終了後、県が空港へのアクセス改善のため再び力を入れてきた。

 運航を担うのは、タクシー大手・第一交通産業(北九州市)の子会社「大分第一ホーバードライブ」(小田典史社長)。航路再開に先駆けて30日から週末に1日4便の別府湾の遊覧周航事業をスタートさせる予定だ。27日、報道陣向けに行った体験搭乗のツアーでは、別府湾を30分ほどかけて周遊した。西大分を出発し、定期航路の途中で折り返す往復約16キロのコースで運航実績を積み、12月に大分空港―西大分間で定期航路の運航開始をめざす。

 九州商船(長崎市)などによると、ホーバーは浮上航行する水陸両用船で、1960年代後半以降、熊本―島原や瀬戸内海の宇高ルートなど各地で運航されていたが、橋の建設や代替交通機関の利用拡大で徐々に姿を消した。

 大分では71年に航路ができ、最盛期の90年代には年間40万人前後が利用。しかし、景気の後退で空港利用者の減少に伴い乗客が減り、2009年に運航が終了していた。

 小田社長によると、定期航路と周遊の事業をしているのは、英国のポーツマスとワイト島を結ぶ航路だけという。

 県は、特急バスで約1時間かかる空港アクセス改善のため設置した検討会で再びホーバーに注目。船体とターミナル整備の費用を県が、運航は民間の事業者が担う上下分離方式での事業実施を決めた。

 ただ、昨年11月に始まった訓練では、航走路のガードレールに接触したり護岸に衝突したりするなど事故が4回発生。就航予定が1年近くずれこんだ。

 定期航路、周遊ともにオンライン決済で大人2千円、こども1千円。窓口での現金決済は大人2500円、こども1250円だ。28日午前10時からインターネットで予約を受け付ける。2週間前から予約可能という。

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