雪下ろしで屋根から転落する事故をなくそうと、国と自治体が豪雪地帯の住民に「命綱」の装着を呼びかけている。雪害による死亡事故の多くは雪下ろしなど除雪作業中に発生し、大半が65歳以上の高齢者だ。命を守るために有効な安全対策だとして、命綱を屋根に固定する装置の助成制度を設けるなど普及を促している。
「雪下ろしが終わって命綱を外したとたんに怖くなって足がすくんだりします。それだけ安心して雪下ろしができるということです」
新潟県柏崎市で県が23日に開催した命綱の体験講習会。講師を務める長岡技術科学大学大学院(新潟県長岡市)の上村靖司教授(雪氷工学)が参加者に訴えた。上村教授は、過疎、高齢化が進む豪雪地帯では雪下ろしを請け負える業者が減っており、高齢者による事故のリスクが高まっていると指摘。安全に雪下ろしをするには命綱と、命綱を体に結ぶ「安全帯」、命綱を屋根に固定する「アンカー」と呼ばれる装置の3点セットが必要だと強調した。
消防庁によると、昨年11月…