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横浜国際プール=2018年9月23日、横浜市都筑区、北村玲奈撮影

 横浜国際プール(横浜市都筑区)の再整備計画をめぐって、市がまとめた原案の概要が関係者への取材でわかった。メインプールを廃止し、通年スポーツフロアとする一方、サブプールの観客席数を約2倍に増やし、練習用プールを新設する。29日開会の市議会でこうした内容を公表する予定だ。

 国際プールは1998年開館で、50メートル×10コースで国際基準に対応した「メインプール」や50メートル×8コースの「サブプール」などがある。冬季はメインプールの床を張り替えてスポーツフロアとして使用している。

 ただ、床の転換には年約5千万円の費用がかかるほか、転換作業をする約2カ月間は利用休止になる。2021年度の包括外部監査でこうした課題が指摘されたことを受け、市は今年6月、メインプールを廃止し、通年でスポーツフロアとする再整備計画の素案を公表した。

 これに対し、神奈川県水泳連盟や日本パラ水泳連盟などは「ウォーミングアップ用のプールがなく、観客席数が不足しており、県や全国レベルの主要大会の開催が困難」などとして、メインプールの存続を求めている。

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通年スポーツフロア化が検討されている横浜国際プールのメインプール=2018年9月、横浜市都筑区、北村玲奈撮影

 これを受けて市は「練習用プール」の新設を原案に盛り込む方針だ。25メートル×5コースで、サブプールに隣接する場所に整備し、サブプールで大会を開催する際のアッププールや水泳教室などに利用することを想定している。バリアフリートイレなども設ける。

 サブプールは入り口からプールサイドまでをバリアフリー化し、観客席数も素案では現在の約350席から500席程度にするとしていたが、さらに180席上乗せして680席程度にする。

 また、最寄りの市営地下鉄北山田駅からの最短ルートは、高低差が6階建ての建物に相当する約17メートルの階段で、車いすやベビーカーではアクセスしづらいことから、「スロープカー」を新設することも検討しているという。(堅島敢太郎)

水泳団体「納得いかない」

 一方、神奈川県水泳連盟など…

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