ノーベル平和賞に決まった日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員で、広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)理事長の箕牧智之(みまきとしゆき)さん(82)が27日、広島市中区の市立広島みらい創生高校を訪れ、生徒たちから銅板製の折り鶴を受け取った。12月10日に授賞式があるノルウェー・オスロに持参するという。
鶴は金、銀、銅の3色5セットで計15羽。同高の沢田和則教諭が形を作り、このうち5羽を生徒たちが研磨剤で磨き上げた。金、銀の計10羽は業者に依頼してめっき加工を施したという。
箕牧さんは「折り鶴は平和の象徴。みなさん、喜んでくれると思う」。ノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長やノルウェー国王、国連事務次長で軍縮担当上級代表の中満泉氏らに現地で渡したいという。
鶴を磨いた同高4年の桑元陽さんは「手渡して、鶴がノルウェーへ行くという実感が湧いた。手に取って広島の歴史を考えて欲しい」と話した。同高は今後、被爆80年に向けて新たに銅板製の折り鶴をつくるという。(興野優平)