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風営法違反容疑で逮捕された女性従業員らが働いていたバーが入る雑居ビルの入り口。バーは階段を下りた地下1階にある=2024年11月25日午前11時49分、東京都新宿区歌舞伎町2丁目、長妻昭明撮影(一部ぼかしを入れています)

 東京・歌舞伎町の「ぼったくり」の手法が変化しているという。

 女性と知り合い、その女性に案内された店で高額請求される――。ここまでは従来通り典型的なやり口だ。だが、内容が少し違う。これまであった「乱暴な言動」などがないという。

 マッチングアプリで知り合った男性客に無許可で接待したとして、警視庁は、飲食店従業員の男女4人を風営法違反(無許可営業)の疑いで現行犯逮捕し、25日発表した。同庁は、4人が男性客に不当に高額請求しようとしていたとみている。

 捜査関係者によると、近年の飲食店での高額請求のおもな「入り口」はマッチングアプリだ。

 マッチングアプリを通じて知り合った男性を店に誘って高額を請求し、実際に支払わせていた。

 請求までのやり取りはこんな内容だ。

 男性と出会ってすぐ、「行ってみたいバーがある」などと誘い、歌舞伎町の雑居ビルの一室に誘い込む。

 店側は1時間5千円の飲み放題をすすめる一方で、女側が「ゲームをやろう」と持ちかけ、負けたらグラスの酒を一気飲みする罰ゲームを提案する。1~2時間で数十杯から100杯超を注文していたという。

 だが、その後、この酒は「1杯3千円で飲み放題のメニュー外」などと説明され、高額な料金を請求されるという。

 女性への好意などを巧みに利用し、支払わざるを得ない状況をつくる。結果、多額の現金を支払う。

 新宿署へのマッチングアプリを通じた同様の高額請求の相談は急増し、昨年は360件と一昨年の約3倍に。金額ベースでは総額2億円以上にのぼったという。今年も10月時点で190件を超えている。請求額の平均は昨年が約59万円、今年は約72万円に上るという。

 警視庁はこれまで、飲食店の…

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