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厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区

 1997~2007年度生まれの女性がヒトパピローマウイルス(HPV)の予防接種を無料で受けられる「キャッチアップ接種」について、厚生労働省は来年3月までの期限を条件つきで延長する方針を固めた。期限内に3回接種する必要があったが、3月までに1回でも接種すれば、更に1年費用を無料にする。

 HPVワクチンは、子宮頸(けい)がんの原因となるHPVの8~9割を予防できるとされる。

 2013年4月、小学6年~高校1年相当の女性を対象に無料で接種を受けられる定期接種になったが、接種後の体の痛みや運動障害などを訴える声が相次いだ。このため、厚労省は同年6月から接種の積極的な勧奨を中止し、接種率が大幅に低下した。

 安全性が確認できたとして22年4月に勧奨を再開するのにあわせ、厚労省は、この間に定期接種を見合わせた人の接種費用を無料にするキャッチアップ接種を始めた。

 15歳以上の場合、通常は6カ月かけて計3回の接種を終える必要がある。厚労省は最短で4カ月での接種も可能と示しているが、その場合でも今年11月末までに1回目を接種しないと、措置が終わる25年3月までに接種が間に合わなくなる。

 一方で、措置の認知度が低く…

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