北海道の鈴木直道知事と北海道猟友会の堀江篤会長が18日、環境省を訪れ、ヒグマの捕獲に従事する人が安心して活動に取り組めるような体制の強化を求めた。堀江会長は、自治体の要請で駆除にあたることについて「(現状は)引き金を引くものが責任を負わされている。ハンターの立場に立った法改正を」と訴えた。

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ヒグマの親子

 北海道のヒグマをめぐっては、砂川市から駆除を依頼されてライフル銃を撃った道猟友会砂川支部長が、建物に弾が当たるおそれがあったなどとして道公安委員会から銃の所持許可を取り消されている。許可の回復を求めた訴訟でも、今年10月に札幌高裁が逆転敗訴の判決を出した。

 北海道では近年、人里へのヒグマの出没が相次ぎ、人身事故も起きている。この日の要望では、判決を受けて「地域の担い手である捕獲従事者に不安が広がっている」と指摘。市街地にクマが出た場合を想定した鳥獣保護管理法の改正が進んでいることを念頭に、新たな法規定について自治体や関係機関などに十分な説明をすることや、捕獲従事者が安全、円滑に捕獲ができるような体制強化などを要望した。

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環境省の小林史明副大臣(左)に要望書を渡す北海道の鈴木直道知事(右手前)と北海道猟友会の堀江篤会長=2024年11月18日午後5時15分、環境省

「間違えたら命を落とすこともある」

 堀江会長は面談後の取材に…

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