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2024年10月2日、西部地区の北朝鮮軍特殊作戦部隊の訓練基地で行われた訓練。朝鮮中央通信が伝えた=朝鮮通信

 米メディアは17日、バイデン大統領がウクライナに提供した長射程のミサイルによるロシア国内への攻撃を許可した、と報じました。北朝鮮軍がロシア南西部クルスク州でロシア軍に加勢したことの対応として制限解除に踏み切ったとされます。北朝鮮兵を含むロシア軍とウクライナ軍の間で戦闘は激化するのでしょうか。

 2012年8月、南北軍事境界線を越えて脱北した元北朝鮮軍兵士で、今は韓国の映画俳優として活躍しているチョン・ハヌル氏は、ロシアに派遣された北朝鮮兵士の心情について「不満や不安があっても、従うしかないという気持ちだろう」と語ります。

【連載】読み解く 世界の安保危機

ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ270人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――北朝鮮ではどのような暮らしをしていたのですか。

 私は1994年11月、日本海側の咸鏡南道咸興(ハムギョンナムドハムン)で生まれました。すでに同年7月、金日成(キムイルソン)主席は死亡していました。私が生まれて間もなく、北朝鮮では「苦難の行軍」と呼ばれる大規模な食料危機が起きました。配給がほぼ止まり、化学工場で働く父親の職場では給料が出ませんでした。母親が市場でお餅を売って、生計を支えました。主な食事はトウモロコシなどで作ったおかゆでした。

 だから、私はいわゆる「ジャンマダン(市場)世代」です。「国が何かしてくれた」という記憶がありません。国に忠誠を誓うよりも、自分の人生を大切にしたいという考えを持っていました。

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 ――なぜ、軍隊に入ったのですか。

 高級中学校を卒業した201…

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