国と民間が共同で設立したはずの官民ファンドが、ほぼ「国営」にすり替わっている実態がわかった。代表的な8ファンドを調べたところ、国の出資比率は平均約8割で、うち五つは9割を超えていた。増資のたびに国がその大半を引き受け、官の比率が大幅に高まったからだ。非効率な運営がまかり通り、投資の失敗が相次いでいる。
官民ファンドは、民間企業だけではリスクが高くて手が出せない投資を支援する。官民が共同で出資し、「民間主導で投資案件の目利きを行う」とされる。
内閣官房が点検の対象とする官民ファンドは昨年3月末時点で14ある。この中核を占めるのが、投資の終了後に国に資金を返済することを前提とする「財政投融資」が元手とする8ファンドで、その出資状況を調べた。
8ファンドは、2009~2…