プロ野球人生をかけ、最後まで、ストレート勝負にこだわった。
11月14日、千葉市のZOZOマリンスタジアムであった「12球団合同トライアウト」。このオフに戦力外になった選手らがシート打撃形式のテストで現役続行をアピールする舞台だった。
東北楽天ゴールデンイーグルスから来季の契約を結ばないと告げられた高田孝一投手は15人目にマウンドに上がり、打者2人と対戦した。
暖かい日差しが差し込み、特有の海風は強くない。初球の真っすぐは138キロと表示された。その後も140キロを超えなかった。結果は右前安打と中飛。投じた10球のうち、変化球は1球だった。
「真っすぐにこだわって投げてきたんで。最後の打者は真っすぐで終わりたかった。満足です」
東京六大学の強豪、法大から、2020年秋のドラフト2位で楽天に入団。150キロを超えるストレートでアマ球界をわかせた右腕に対し、周囲の期待は小さくなかった。
だが、プロ初登板初先発とな…