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慶応大学総合政策学部の加茂具樹教授=本人提供

 石破茂首相が15日午後(日本時間16日午前)、訪問先の南米ペルーの首都リマで、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と初めて会談しました。会談にはどのような意義があり、これからの日中関係にどう影響を与えるのでしょうか。慶応大学総合政策学部の加茂具樹教授(現代中国政治・外交)に聞きました。

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――今回の会談について率直な感想は。

 日中は1972年の国交正常化以来、関係を安定させるために、細く曲がりくねった、長い長い上り坂を歩んでいる状況です。日中友好や中国経済ブームに支えられて良好な関係ではありましたが、その一方で課題はたくさんありました。

 石破首相も「大局的な観点から意見交換ができた」と話している通り、会談は両国の首脳が「この長い道をともに歩んでいるのだ」という認識を共有できたことに意義があるのではないでしょうか。

――今の日中関係はどういう状況といえるのでしょうか。

 日中両国は国交正常化のときに、政治・社会体制が異なっていることを認識しながらも、共通の価値や共通の利益を見いだす取り組みを通じて、地域と世界の平和と繁栄に貢献しようと決断をしました。しかし今、共通の利益が見えにくい状況にあります。

 以前は日本の援助によって中国の経済も成長するウィンウィンの関係でわかりやすい共通の利益がありましたが、中国が大国になった今は違います。貿易摩擦が生じ、それが政治や安全保障の問題にまで発展している状態です。

米中間の競争激化 日中関係もより重要に

 様々な課題から、互いに不信を募らせています。たとえば日本側からみれば、中国国内での邦人や企業活動の安全、東シナ海の空・海領域での中国の行動、通商での中国側の行動などへの懸念があります。

 逆に中国側からみれば、20…

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