今国会で批判されている政治とカネの問題は、派閥の裏金だけではない。自民党の茂木敏充幹事長らが、政治資金のルールが厳しい自身の関係政治団体から、公開ルールが緩い別団体へ億単位の金を移していたことも問題視されている。透明性確保のための政治資金制度が「骨抜きだ」との声もあり、制度改正議論の論点の一つになりそうだ。
4月10日。茂木氏は視察先の富山県高岡市で報道陣に、派閥の政治資金パーティー問題で「裏金」が発覚しながら、党としての処分を見送った議員に個別に厳重注意をしたと明かした。
「しっかりと管理する責任がある」
だが、その1カ月前。国会で追及の対象となったのは、派閥の裏金事件では立件されなかった「平成研究会(茂木派)」の事務総長や、茂木氏自身の政治資金だった。
「隠蔽(いんぺい)と取られても仕方がない」
3月7日の参議院予算委員会で立憲民主党の杉尾秀哉氏が迫った相手は、茂木派事務総長の新藤義孝経済再生担当相。自身の関係政治団体から、事務所は同一だが、関係団体として国などには届けていない政治団体へ、2022年までの10年で計約2億5900万円を移していた。
22年の政治資金収支報告書…