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競りにかけられたイワシクジラの「尾の身」=2024年11月14日午前2時3分、山口県下関市、白石昌幸撮影

 山口県下関市の下関漁港地方卸売市場で14日未明、イワシクジラの生肉が競りにかけられ、希少部位「尾の身」に1キロあたり20万円の高値が付いた。今年3月に完成した新捕鯨母船「関鯨丸」の初の生肉の荷揚げに、市場には競り人らの威勢のいい声が響いた。

 関鯨丸の船会社「共同船舶」(東京都、所英樹社長)によると、生肉は北海道・道東沖で11月6~8日に捕獲したイワシクジラ5頭の赤身や尾の身で計2トン。鯨肉本来の食感やうまみを味わえるよう、冷凍せず氷温冷蔵した。12月にはナガスクジラの生肉の上場が予定されている。

 2019年の商業捕鯨再開以来4回目の上場。老朽化のため引退した先代の捕鯨母船「日新丸」のご祝儀相場でつけた、昨年の過去最高値1キロ80万円には及ばなかった。

 競り落とした下関市の仲卸・水産加工「魚重」の長谷川豊専務(41)は「肉の発色が良く、サシ(脂肪交雑)も抜群によかった。適正な値段で競り落とせた」と話していた。広島県内の料理店に納めるという。(白石昌幸)

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