元インド外務次官 ハーシュ・バルダン・シュリングラ氏
11月5日に実施された米国の大統領選挙で、トランプ前大統領が勝利を収めました。急速な経済成長を果たし、米国との関係も深めてきたインドは、トランプ氏の再来をどう見るのか? 2022年までインドの外務次官を務め、在米インド大使の経験もあるハーシュ・バルダン・シュリングラ氏に聞きました。
- 【連載】トランプ再来 世界の視点
――米大統領選は、トランプ氏の勝利で終わりました。
インド政府や国民はおおむね、今回の結果を歓迎しているだろう。モディ首相はSNSで、トランプ氏の勝利を温かく祝福した。トランプ氏の復権は、印米関係を新たな章に導くものとして期待されている。
――なぜ期待が高いのでしょうか。
両者は、トランプ氏の最初の任期中にお互いの国を訪れて会談や集会を実施するなど、個人的な強い絆で結ばれてきた。20年にトランプ氏が訪印した際には、西部アーメダバードで「ナマステ・トランプ・イベント」が開かれ、会場には約10万人が参加した。通りには、彼を歓迎する人々が列をなしていたほどだ。
――絆はどのようにして結ばれたのでしょう。
トランプ氏への期待
トランプ政権時代に在米国のインド大使を務めたシュリングラ氏。記事の後半では、トランプ氏への期待や台頭する中国の存在、ウクライナ情勢、日本との関係強化などについての見解も聞きました。
トランプ政権では、インドを…