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 福島を拠点に創作に取り組む詩人・和合亮一さん(56)。英訳詩集がこの秋、米国で翻訳賞にノミネートされて注目を集めた。「これまで以上に世界と向き合い、福島の日常を文学として発信していきたい」と意欲をみせる。

 和合さんの英訳詩集「SINCE FUKUSHIMA」(ジュディ・ハレスキ、高橋綾子共訳、Vagabond Press)は、米文学翻訳者協会が主催する、アジア作品の英語版を対象とした「ルシアン・ストライク アジア翻訳賞」の最終候補になり、惜しくも受賞を逃した。2011年の東日本大震災直後にツイッターで発表した一連の詩をもとにした「詩の礫(つぶて)」収録作を始め、21年までの作品から編まれたアンソロジーだ。

 県立高校の教師として働きながら、「福島の日常や風土、空気感を描いてきました」という和合さん。震災発生時は、勤務先で入試の合否判定会議に臨んでいた。生まれ育った土地の景色が様変わりし、教え子を失い、放射能の恐怖や怒りを感じる中、「地震や原発事故で非日常的空間になった福島を、初めは心の生(なま)の記録として書きつづっていましたが、自然に詩の表現になっていった」という。

 「SINCE FUKUSH…

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