写真・図版
「京都もみじ鉄道」のヘッドマークを持つ三戸尉行・嵯峨野観光鉄道社長(左)と豊田秀明・叡山電鉄社長=2024年10月17日午後2時39分、京都市下京区、日比野容子撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 京都・嵯峨嵐山から亀岡まで保津川渓谷の景観美を楽しめる嵯峨野観光鉄道と、洛北の「もみじのトンネル」で知られる叡山電鉄が、紅葉シーズンを前にタッグを組んだ。コロナ禍による鉄道離れや沿線人口の減少などに見舞われる両社だが、「京都もみじ鉄道」として旅客をいざなう。

 連携を呼びかけたのは叡山電鉄の豊田秀明社長(56)だ。関西の鉄道会社の幹部らが集まる会合で、嵯峨野観光鉄道の三戸尉行社長(60)と隣の席になり、意気投合したのがきっかけという。

 叡山電鉄は来年に開業100年を迎えるが、経営環境は楽観できない。「地域の足として、観光客の足として何としても生き残っていかねば、という思いからだった」と豊田社長は説明する。

 「西の嵯峨野、東の叡電」と旅行雑誌などで並び称されるが、これまで交流はなかった。2社でPRすることで相乗効果を生み出せるのではないかと三戸社長も賛同した。

 両社は10月、京都市で連携協定を結んだ。青もみじから散りもみじまで年間を通して観光客の誘致に向けた共同プロモーションを行う。限定コラボ商品として、嵯峨野観光鉄道はトロッコ嵯峨駅、叡山電鉄は出町柳駅でクリアファイルやガラスマグネットセット、和タオル、御朱印帳を売る(売り切れ次第終了)。

 12月29日まで記念のスタンプラリーを開催中だ。一部車両で掲出中の「京都もみじ鉄道」のヘッドマークをあしらった缶バッジをプレゼント。売り上げの一部は沿線の景観維持に使う。共通切符の発売なども検討するという。(日比野容子)

共有