写真・図版
地元の土地改良区が開いた田植え体験会。コメ作りが地下水を育てる仕組みも学んだ=6月、熊本県大津町、渡辺淳基撮影

 「国の政策に逆行する部分もある。でも町のため、協力をおねがいしたい。企業も、環境を守りたいと思っているんです」

 7月、熊本県菊陽町の農協支所に集まった20人あまりの農家を前に、同町の山川和徳産業振興部長が頭を下げた。

 ホワイトボードに図を描きながら説明したのは、地元の農家がつくるコメの一部に、1俵あたり約5千円を補助する政策だ。

 町には世界最大の半導体受託製造会社、台湾積体電路製造(TSMC)が進出し、巨大な半導体工場が立つ。この数年で農地の工業用地への転用が急速に進み、コメ作りから離れた人も少なくない。

コメ作り守る仕組み、効果は限定的

 町の補助策は、コメの作付け…

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