発がん性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)をめぐり、市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」は10月31日、山口県岩国市の米軍岩国基地周辺の水を採取した。東京の分析機関に調査を依頼し、結果は今月中旬ごろに出るという。
PFASが議題となった9月定例議会後、岩国市は、国や県に基地周辺のモニタリング調査を依頼した。
この日は、市民団体が基地北側の遊水池から川への流出口近くで、バケツで水をくんだ。採取した水500ccは、農民運動全国連合会食品分析センター(東京都板橋区)に送り、PFAS7種類について検査してもらう。
市民団体の久米慶典事務局長は「(行政にまかせきりにせず)市民レベルで調査することも大切」と話した。半年に1回程度、調査するという。
岩国基地周辺では、PFASの国の暫定指針値をめぐり、異なる数値が出ている。環境省や県の調査では基準を下回り、米国の民間団体の調査は上回った。各地の工場や米軍基地周辺で基準値超えのPFASが検出されている。(鈴木史)