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れいわ新選組代表の山本太郎氏が出演し、批判を集めた動画の投稿(2枚のキャプチャー画像を並べています)=大石あきこ氏の公式Xから
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 れいわ新選組の山本太郎代表が衆院選の期間中、不自然な日本語で選挙応援を呼びかけたSNS上の動画が、外国人差別だとして批判を集めた。動画を投稿したれいわの大石あきこ衆院議員は1日、不適切だったとしてSNS上で謝罪した。

 動画は10月25日夜、X(旧Twitter)とTikTokの大石氏のアカウントから投稿された。60秒にわたって山本氏が大石氏やれいわへの支援を呼びかけている。批判の的となったのは、あえてたどたどしくした日本語の話し方だ。アクセントに特有のなまりをつけていたり、語順などの文法を不自然にしていたりしている。

 SNSでは「マジョリティーである日本人が、日本語に不自由な外国人を侮辱している」「片言の日本語を面白おかしくネタにするのは外国人差別だ」などと批判が相次ぎ、炎上した。

 れいわは、基本政策の柱で「共生社会」を掲げ、「外国人差別をなくし、共生社会の礎となる、外国人の権利を守る法制度を整える」と記している。

在日コリアンの団体も抗議「あまりに配慮に欠ける」

 投稿は数日後に削除されたが、批判はおさまらなかった。外国人の人権擁護などを掲げる在日コリアンのNPO法人「コリアNGOセンター」(大阪市)も、外国人に対する差別だと抗議し、れいわに見解を求める要望書を提出した。要望書の中で「公党の代表が、日本政治から疎外されている外国人を模して投票を呼び掛けるというのは、日本で暮らしている外国人の現実や思いに対してあまりにも無関心で配慮に欠けるものであると言わざるをえません」と批判した。

「パロディー」と釈明しつつ謝罪

 1日になり、投稿者の大石氏はXの新たな投稿で釈明と謝罪をした。投稿文によると、動画は大石氏が9月、山本氏に動画出演を依頼し、大石氏の事務所の編集を経て公開した。動画は、日本語を話すタイの人気インフルエンサーをまねしたもので、背景として「わかりやすい、新鮮に聞こえる、意外性が笑える文脈で流行っていて、若い人などがマネ、パロディー動画をたくさん出している」と説明。そのため、元の動画には「『カタコトへの差別的意味合い』は無かった」と受け止めていたというが、「巷(ちまた)で流行している文脈はそうであっても、公人がカタコトのマネをするのはまた違う文脈が生まれるのだ、という指摘は重く受け止めお詫(わ)びいたします」と謝罪した。

 大石氏の事務所の担当者は、朝日新聞の1日の取材に対して「見解は投稿のコメント通りだが、これ以上となると回答に時間が必要だ」と答えた。

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