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トランプ前大統領=2024年10月、AP

The Group at the Center of Trump’s Planning for a Second Term Is One You Haven’t Heard of

 この夏の終わりが近づく中、ある有力な右派系シンクタンクが全米から保守派の人々を招き、「第2次トランプ政権」でいかに活動していくかをテーマに勉強会を実施した。

 連邦政府内にいる左派の考えを持つ公務員といかに闘うか? 主流メディアにどう対応すべきか? 首都ワシントンで開かれた一連の研修会では、第1次トランプ政権の元高官らが、こうした課題に関する戦略を参加者に共有した。参加者はさらなる学習のための資料が詰まった分厚いバインダーを抱えて帰路についた。資料の中には、「沼のヘドロの話:連邦政府の官僚はいかにトランプ大統領に抵抗したか[Tales From the Swamp: How Federal Bureaucrats Resisted President Trump]」と題されたセクションも含まれていた(訳注:「swamp」はワシントンの政官界に巣くう汚職や既得権益を比喩的に意味する)。

 一連の研修会の内容は、トランプ氏に忠実な人々が保守派政策構想と人材活用計画をまとめた「プロジェクト2025[Project 2025]」と酷似していた。プロジェクト2025は、盛り込まれている大変過激な政策提言をトランプ氏と結び付けようとする、民主党陣営の政治的武器とも化している。

 だが、この研修会はプロジェクト2025やそれを中心的に支える保守系シンクタンク、米ヘリテージ財団とは無関係だった。主催したのは、右派系シンクタンク「アメリカ第一政策研究所[The America First Policy Institute]」。ほとんど注目もされず監視もされずに来たが、復権を目指すトランプ陣営の具体的な政策プランの作成における、第一のパートナーとしての地位を自ら勝ち取った。

 このシンクタンクは2020年末に米テキサス州の富豪3人によって結成された非営利組織で、略称は「AFPI」。トランプ氏の政治活動のほぼ全域に急速に食い込んでおり、(トランプ陣営に属さない)外部勢力としては、同氏の次期政権構想に最も近い組織だ。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

NYTの取材によると、AFPIには第1次トランプ政権の関係者が多数在籍しているとのこと。返り咲きに向けて計画を練ってきたそうです。

 トランプ氏は、AFPIのリ…

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