岐阜県瑞浪市大湫町でリニア中央新幹線の工事が原因とみられる地盤沈下が確認された問題で、JR東海は29日、今月21日時点で最大4.9センチの沈下が確認されたことを明らかにした。
県環境影響評価審査会の地盤委員会で同社が報告した。地表面の高さを測定した30カ所のうち、測定誤差の範囲を超える0.6センチ以上の沈下が確認された地点は17カ所で、9月23日時点の調査から3カ所増えた。
JRは衛星データによる4地点の地表面の変化の解析結果を初めて公表した。トンネル掘削工事前を含む2015年12月~18年6月の最大変位量は約0.8センチだった。工事後の変化が大きいことから、JRは工事で地下水が抜けた影響の可能性があるとみている。
JR東海の丹羽俊介社長は29日の定例会見で、原因の特定について「まだ見通しがつかない」とし、「県環境影響評価審査会のご助言も参考にしながら調査を進める。お住まいの方々とのコミュニケーションも丁寧に行っていきたい」と話した。(保坂知晃、辻健治)