日本をねらう国際ハッカー集団が、なぜか国立研究所に「無意味な脅迫」をした。「人質」がないのに金を脅し取ろうとした謎の行為。専門家は「ハッカー集団はウソをつくこともある、と考えて対策して欲しい」と呼びかける。

 国立遺伝学研究所が22日、サイバー脅迫を受けたことをウェブサイトで公表した。あわせて、事件に対するこんな見解を示した。

 「もともと誰でも無料でダウンロードでき、脅迫は無意味です」

  • DB盗み身代金要求のハッカーに遺伝研「元々公開、脅迫は無意味」

 所管する情報・システム研究機構によると、国際ハッカー集団が遺伝研を名指しして脅迫したのは8日深夜のことだ。X(旧ツイッター)で、各国の研究者が登録したDNAやRNAの塩基配列のデータベース「DDBJ」から盗んだとするデータの5%を公表。「1万ドル(約150万円)を支払わなければ残りの95%も公開する」と脅した。

理化学研究所も標的に…… でも「流出なし」

 こうした脅迫は、暗号化した重要なデータを人質に、身代金を要求する「ランサムウェア(身代金ウイルス)」や、暗号化はしない新手の「ノーウェアランサム」と呼ばれる攻撃の一端のように見える。

 ところが、DDBJのデータ…

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