私立学校に国の補助金(私学助成)を配分する日本私立学校振興・共済事業団は24日、日本大と東京女子医科大(いずれも東京都)に対する今年度の補助金交付を保留とした。ガバナンス強化に向けた取り組みや、改善状況を注視しているためという。来年1月末に予定する運営審議会を経て、理事会で決定する見通し。

  • 国のペナルティー恐れ定員削減 学生集め難航の私立大、苦渋の決断
  • 前理事長の側近側に1億円超 東京女子医大の工事「コンサル料」名目

 日大は、2021年に元理事長が所得税法違反(脱税)罪で起訴された事件や、アメリカンフットボール部の違法薬物問題を受け、23年度まで3年連続で全額不交付とされた。また今年、重量挙部で違法な集金問題が発覚するなどした。東京女子医科大は、大学や同窓会組織をめぐる不透明な資金問題が発覚し、8月に理事長(当時)が解任される事態となった。

 私学事業団は、今年度分を保留にした理由について、日大重量挙部の違法集金問題などを挙げ、「問題について大学側が調査中であるため」としている。また、東京女子医科大については、直近で新理事長などの体制が発表されたこともあり、「新体制でどういう改善がされていくのか見ていきたい」としている。

 直近の助成額は、日大が約90億円(20年度)、東京女子医科大が約20億円(23年度)。配分を検討する同事業団の運営審議会は、例年おおむね10月と1月にある。(島崎周)

共有