能登北部を襲った豪雨から1カ月の21日、元日の能登半島地震との「二重被災」が深刻な石川県輪島市町野町の仮設住宅団地に、衆院選の期日前投票の臨時投票所が開設された。午前9時の投票開始前から住民が集まり、次々と票を投じた。
団地は268戸あり、自宅に住めなくなった被災者が暮らす。投票所は集会所に設置された。
最初に訪れたのは団地に住む清水哲朗さん(56)。「何があっても復興を最優先にしてくれるところを選んだ」という。「土砂崩れが起きたら孤立してしまう。そんな国づくりはあり得ない」と支援を求める。
近くの集落から投票に来た川端留美子さん(66)は「せっかくボランティアなどで支援が入ってくれているのに、選挙で被害が忘れられてしまうことが怖い」と話す。地震で傾いた自宅で夫の千年さん(71)と暮らす。隙間から風が入り、ここ最近の急な冷え込みがつらいという。「いつ何時また(山が)崩れるか分からない。冬の間だけでも違うところに移らせてもらえないものか」と語った。
臨時投票所は22日まで。市選管によると、町野町の投票所は元々2カ所あったが、地震で施設が被災し、27日の投票日は輪島市立町野小学校の1カ所だけになる。(小崎瑶太)
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