今年は、舞台を宇都宮市に移した全日本吹奏楽コンクールの高校の部。午前に始まった前半の15校は、それぞれの持ち味を最大限に引き出した華麗な演奏を繰り広げた。

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全日本吹奏楽コンクール高校の部の前半の表彰式=2024年10月20日

 最初に登場した磐城(福島)は、奥行きのある立体的な音色を会場に響かせた。

 自由曲「白磁の月の輝宮夜(かぐや)」は、起伏にとんだメロディーを大事に受け渡していくような演奏。トロンボーンのアンサンブルでのハーモニーも美しかった。結果は銅賞だった。

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磐城(福島)の演奏=宇都宮市文化会館、高野良輔撮影

 札幌日大(北海道)は、自由曲でラベルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」を演奏。夜明けの情景を美しく表現した。

 クラリネットの低音とユーフォニアムが呼応し合い、トランペットやホルンが差し込む日差しのように輝かしいハーモニーを聴かせて、銀賞を受けた。

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札幌日大(北海道)の演奏=宇都宮市文化会館、高野良輔撮影

 初出場の金沢学院大付(石川)は銅賞。自由曲で、同じラベルの「スペイン狂詩曲」を演奏した。

 もともと弦楽器が担当する部…

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