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 フリーランス法(特定受託事業者に係わる取引の適正化等に関する法律)が11月1日に施行されます。企業などに雇われないフリーランスが働きやすくなるよう、業務委託契約を結んで仕事を発注する企業に義務が課されます。発注事業者はどんなことに気をつければいいのでしょうか。(編集委員・沢路毅彦)

 業務委託をした日から契約が終わるまでの期間が1カ月以上かかる取引の場合、仕事を発注する側に禁止されている行為が7パターンある。どのような行為が違法となるのか、主な事例を紹介する。

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禁止行為「受領拒否」

 「作ってもらったアクセサリーなんだけど、流行が終わったせいで、売れ行きが悪い。だから発注した残りの半分はもういらない」

 ジュエリーデザイナーA子は、アクセサリー販売店主のB男に依頼されて納期に間に合わせてアクセサリー100個を作った。このうち50個を一方的にキャンセルされ、受け取ってもらえなかった。

 ▷フリーランスに責任がないのに、委託して作られた物品の受け取りを発注事業者が一方的な都合で拒むことは禁止される。コンピューターのプログラムやアニメーションの原画など情報成果物も同じだ。

 また、発注事業者が受け取りの日付を延期することで、あらかじめ定めた納期に受け取らないことも受領拒否になる。

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禁止行為「報酬の減額」

 「会社の業績が悪化して、新作ゲームの制作予算も大幅に削られちゃった。あなたにこのゲーム向けにキャラクターのデザイン作成を1つ10万円でお願いして作ってもらったんだけど、報酬を少し削るね」

 イラストレーターのA男がゲーム開発会社の社員B子から業務委託時に決められた報酬はデザイン1体について10万円。それが7万円に減額された。

 ▷フリーランスに責任がないのに、業務委託時に決めた報酬額を、後になって減額することは、その金額にかかわらず、禁じられる。

 「手数料」や「協力金(協賛金)」、「原材料価格の下落」など、どんな名目をつけても減額することは認められない。

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禁止行為「返品」

 「生花のブーケ50束を納品…

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