写真・図版
日本とこんなに違うの!? 世界の選挙戦 パート2

 旬の野菜や果物、新鮮な肉や魚を山のように並べた露店が並ぶフランスのマルシェ。各地で定期的に開かれ、地元の人でにぎわうこの青空市場は、選挙になると候補者たちの戦いの場になる。

 フランスでは6月9日にあった欧州連合(EU)の議会選で、極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」に与党連合が大負けし、マクロン大統領が国民議会(下院)の解散に踏み切った。6月30日に初回投票、7月7日に決選投票の日程で下院選が行われた。

【連載第1シリーズはこちら】日本とこんなに違うの!? 世界の選挙戦

総選挙が始まり、あちこちでポスターや選挙カー、街頭演説を見かけます。今年は世界各地で大型選挙がある「選挙イヤー」ですが、海外の実態は? 特派員が感じた日本との違いは? 前回に続き、世界から報告します。

 フランスだけでなく、EUの行方も左右する重要な選挙だった。ただ、激戦区の候補者を追いかけようにも、陣営は必ずしも選挙運動の詳細な予定を公表しない。そのため、目当ての候補者に会える保証はなくとも、注目の選挙区内で開かれるマルシェの日程を調べて足を運んだ。

 狙いが当たったのは、仏北部コンデアン・ノルマンディーのマルシェを訪ねたときだった。与党連合のボルヌ元首相(63)と、初回投票トップのRN候補カルブリ氏(40)が同時に選挙運動をしている場面に出くわした。

 仏下院選は577議席すべて…

共有